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ジェーンオースティン「高慢と偏見」

高慢と偏見。


ジェーンオースティン原作の長編小説。世界中で翻訳されている、有名小説です。


私は読んだ事はありません。
小説は読むの大変そうだけど、ドラマならいけるかな~・・・と思って、ドラマ版の「高慢と偏見」を、見てみました。



そしたら、これがなかなか面白かったんです!


1本50分程度のお話が全部で6話。


1995年にイギリスBBCで放映された連ドラで、放映当時は「街から、道を歩く人が消えた」と言われるくらい、多くのイギリス人がこぞって見ていたとのこと。


これは恋愛ドラマ・・・いわゆる、ハーレクインのような、ロマンス小説なのですねえ・・・私はずっと、「固めの古典文学」だと思っていました(だから読まなかった)。


詳細なあらすじは、Wikiなどの専門ページに任せるとして、
ものすごくざっくりと言いますと、


「中級階級のあまりお金のない家庭の女性が、大金持ちと結婚するまでの、すれ違いやらあれこれ」を描いたお話です。


(ざっくりもざっくり、ものすごく色々な部分を端折っています)


確かに、ストーリーはハーレクインに近いロマンス小説です。


中産階級の女性を、さらに上の階級の男性が引き上げてくれる・・・という。だから、ドラマ化しやすいし、女性の心をつかみやすいと思う。


でも、色々裏読みすると、ため息が出てしまうお話でもあります。


18~19世紀当時の中産階級の女性は、結婚することでしか生活ができなかった。
女性は男性と違い、自分の親の財産を相続することができないかったから。


もしも独身のまま、実家に残ったとすると、非常に肩身の狭い思いをしながら、実家の当主の「お情け」に頼って生きるしかない訳でして・・・親ならばまだしも、問題は親が死んだ後の事でしょう。
結婚しない、という事は、この当時の中産階級の女性にとって、悲惨な選択だったのかもしれません。


なんと、この小説の主人公であるエリザベスの家は、娘5人のみで、息子がいないため、家や土地など父親の財産は、全て従兄弟にわたってしまうと言うのです。
5人も娘がいるというのに・・・!


必死で金持ち男性に娘を売り込む母親を、「愚かで短絡的な母親」として、喜劇的に描いていますが、このような背景があるとなると、笑えない話です。
むしろ、無関心な父親よりも娘思いの母親・・・と言えない事もありません。


しかし、おそらく大半のイギリス女性は、大金持ちで上流階級のミスターダーシー役・コリンファースに魅かれて、このドラマを見ていたのではないでしょうか。

コリンファースにとって、このドラマは当たり役だったらしい。


劇中では「池で泳いだ後、シャツ一枚でくつろぐサービスショット」まで用意され、イギリス女性のハートを鷲掴んだとのこと・・・・まーコリンファース、カッコいいですもんね^^;


これがもとで、ブリジットジョーンズの日記の「ダーシー役」をやったんですものね。


いやー・・・ブリジットジョーンズの日記が、この「高慢と偏見」のパロディだって事、初めて知りました。


お話は恋愛・ロマンスものですが、イギリスの田舎風景の描写が美しく、そういう意味でも、楽しく見れる連ドラです。


この所、「日本の連ドラを、途中で挫折してしまい最後まで見れない症候群」にかかっていましたが、久しぶりに最終回まで楽しんで観れました。

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