人生真ん中あたり

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上流階級 富久丸百貨店外商部3冊

百貨店外商部の新人外商員として働く、鮫島静緒(37歳)が主人公の、ドラマ化ヒット小説。


「外商」というシステム自体、おそらくほとんどの日本人には馴染みのないものだと思うので、私も興味本位で読んでみました。


【あらすじ】
天下の富久丸百貨店芦屋川店で、外商員として働く鮫島静緒(37)。

日本一の高級住宅街・芦屋に住む本物のセレブたちに、ロレックスの時計やダイヤの指輪を持参してお買い物をしていただくのが仕事だ。
新人外商員の静緒に課されたノルマはなんと、月1500万円! 


現在、1巻~3巻まで版行されていますが、読みやすい小説なため、3冊同時に購入&読了しました。




フィクションの世界なので、果たしてこの中身がどの程度現実に近いのか、判断できませんが、「超お金持ちが百貨店の外商部を使う世界」をちらりと垣間見る事ができて、なかなか面白かったです。


私のような庶民の場合、お買い物というと、ある程度自分で当たりを付けた店に出かけて行き、たくさんの商品の中から、「これ」というものを探し出します。


楽しい。
でも、時間はかかりますね。
無駄も多いし、見つからない事もある。


特に、洋服などの場合は、予算やサイズ、好みのものから、ぴったりの商品を探し出すのは、なかなか難儀します。


百貨店の外商部という場所は、膨大な量の商品の中から、上流の皆さまに気に入られるであろう品をピックアップし、おうちに持って行ってあげる・・という、痒い所に手が届くお買い物を提案します。


庶民が「商品に自分を合わせて」買い物をしている時に、上流の方々は、「自分に合った商品を提案」されている訳です。


これは、アレですね。


現実世界のターゲティング広告みたいなものですね。
(ネットの閲覧履歴から、その人の興味あるものを推測して、勝手に広告を提示してくるアレです)


しかも、外商員と顧客という、人と人とのお付き合いの延長線上として、商品を提示してくるので、ふらりと買い物にやってくるフリーのお客様よりも、購入の可能性はぐっと高くなるのかもしれません。


とにかくお金がある人達をターゲットに、物を売っている仕事なので、小説では面白いように数字(金額)が伸びます。同じ販売業としては羨ましい限り^^;


・・・と、これは小説の中の話。


実際、このご時世で、現実世界の百貨店の外商部がどのくらい順風満帆なのか、疑問。
百貨店もどんどん統合されるわ、店舗閉店ラッシュが続くわ・・ですからねえ。


今は、ネット通販の勢いがありすぎて、実店舗というものがどんどん不要になってしまっています。
私自身、実店舗に買い物に行くのは、生鮮食料品など、通販で買いにくいものに留まっています。ネコのご飯もミネラルウオーターも、頭痛薬や洗濯洗剤でさえ、ネットで買っていますから。


話がそれちゃった。


小説自体は、とても面白く、読みやすいです。
ちょっと違う世界を覗ける、良質のエンタメ小説だと思います。

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